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第48話 あきらめない

ผู้เขียน: 来須みかん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-04-07 12:42:02

生徒会長は、「そうだね」とため息をついた。

「未来人達の目的は、あくまで人類滅亡の阻止だから、僕達の幸せはそこに含まれていないみたいだね」

「そんな……。私、そんなの、嫌です」

呆然とする穂香に、生徒会長は微笑みかける。

「僕も未来人のやり方は気に入らないな。特に、白川さんの子孫を罪人扱いして、責任を取らせようとしているところなんて、聞いてるだけで気分が悪いよ。どうにかしたいね」

生徒会長は、「そういえば……」とつぶやく。

「僕の問題を解決できそうな白川さんの知り合いって、もしかして、他の恋愛候補なのかな?」

「あっ、そうです。恋愛候補の残り2人は、穴織くんと松凪先生なんです」

「穴織くんって、前に僕と白川さんが生徒会室に閉じ込められたときに、扉を開けてくれた生徒だよね? それに、松凪先生も?」

穂香は、コクリとうなずく。

「穴織くんは、化け物退治の専門家で、先生は、異世界で魔王を倒した元勇者だそうです」

黄色の瞳が、驚きで大きく見開かれた。

「よく分からないけど、すごそうだね。僕達、恋愛候補の3人は、お互いのためにも協力したほうがいいと思う。今から会わせてもらえるかな?」

「それが……」

穂香は、今は穴織が異世界で神々の試練を受けているから会えないことを説明した。

「どういう状況なの?」と驚く生徒会長に、穂香は苦笑いする。

「じゃあ、その試練が終わり次第合わせてもらうとして……。あとは、高橋くんは、未来から来た天才科学者で、白川さんは、パートナーになった相手を少しだけ幸せにできるって言ってたよね?」

「正確には違うんですが、そんな感じです」

「皆、すごいね。僕は自分で言うのもどうかと思うけど、自由に使えるお金が多い。ねぇ、僕達が協力したら、なんでもできそうじゃない?」

生徒会長の顔は、どこまでも真剣だ。

「それこそ、人類滅亡の阻止も、僕達、皆が幸せになれる未来作りも」

穂香がうなずくと、風景が変わった。

【同日 放課後/教室】

(生徒会室から、教室に飛ばされてる)

夕焼け色に染まる教室には、レンしかいない。穂香を見つけると、レンはため息をついた。

「遅いですよ。もう、皆、帰りました。文化祭の準備は、また明日やるそうです」

(あっ、そういえば私、文化祭準備の時間延長申請のために、生徒会室に行ったんだった)

いろいろありすぎて、すっかり忘れてしまっていた。

「ごめん
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    穴織の姿が見えなくなると、風景が変わる。【同日 夜/自室】(あれ? 次の日まで飛ぶかと思ったら、まだ夜だ。ということは、何かイベントが起こるかも?)しかし、もう夜も遅いので、涼はもちろんのこと、サポートキャラのレンもいない。(私は何をしたらいいの?)部屋の中を見渡すと、机の上におまじないの紙を見つけた。(これ、前に使ったやつだ。おまじないは、この紙を学校のどこかに埋めたら終わりって涼くんが言ってたっけ)ということは、このおまじないは、まだ終わっていないということ。(もしかして……)穂香は使用済みのおまじないの紙を枕の下にもう一度入れた。ベッドに入り、目をつぶるとすぐに意識がまどろんでいく。*【夢の中】教室に、白い制服を着た涼が立っていた。それは、昨日見た夢とまったく同じ光景だった。(やっぱり! このおまじない、まだ終わってなかったんだ!)長い赤髪が風に揺れている。光る武器を持ち佇む涼は、穂香に気がついていない。『来たのか、娘よ。確か名は穂香じゃったかの?』「はい。えっと、あなたは涼くんのおじいさん、ですよね?」『まぁ、そんなものじゃな。おぬしには、特別に【おじいちゃん♡】と呼ばせてやろう』冗談なのか本気なのか分からないので、とりあえず穂香は「あ、ありがとうございます」と返した。「じゃあ、おじいちゃん。涼くんは、どうしたんですか?」

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    「穴織くん、いらっしゃい。ど、どうぞ」「……お邪魔します」脱いだ靴を綺麗にそろえるところに、穴織の育ちの良さがうかがえる。 「私の部屋は2階で……」「あの、白川さん。今、部屋の中に、レンレンがいたような気がしてんけど?」「あ、うん。ちょうど遊びに来ていて……」穴織は「白川さんの、その発言が嘘じゃないことに驚くわ」とため息をついた。「と、言うと?」「だって、白川さんは今日、学校を早退したんやで? 俺も今、抜けてきたところやし…。レンレンがここにおるの、おかしくない?」穴織に嘘はつけない。穂香は本当のことを言うしかなかった。「そのことだけどレンは、登校したら私達が校門で話していて怪しかったから、今日は学校を休んだって言っていて……」「ふーん」こちらに向けられた探るような眼差しがつらい。「わ、私の部屋はこっちだよ」部屋に案内すると、部屋の中からレンが良い笑顔で手を振った。「穴織くん、いらっしゃい」「うぉい!? 白川さんの部屋やのに、自分の部屋のごとく、めっちゃくつろいでるやん!?」穴織からのツッコミを、レンは「穂香さんとは、幼馴染ですので」の一言で片づける。穂香も「本当にレンは、ただの幼馴染で……」と伝えると、穴織に「分かっとる、分かっとるけど……幼馴染って、こんな距離感が普通なん?」ともっともな質問をされてしまった。「さ、さぁ?」

  • 恋愛ゲームの世界から脱出する方法はイケメンからの告白!?   《09番外編》もし、穴織と恋愛していたら⑧

    穴織は「ところで……」と咳払いをする。「さっきも聞いたけど、白川さんは見えないものが見えるだけじゃなくて、ジジィの声も聞こえてるねんな?」探るような視線を向けられた穂香は、素直に「うん」とうなずいた。「え? マジで?」サァと穴織の顔から血の気が引いていく。「俺、なんか変なこと言ってなかった?」「ううん、言ってないよ。でも、穴織くんって何者なの? 嘘が分かるっていってたよね?その『ジジィ?』さんも……」穴織が「あ、あー……」と言いながら困ったように頭をかいた。「うん、まぁ、全部は話されへんけど、話せるところは話すわ。でも、ちょっと待ってほしい。今は、この学校で起こってることを調べなアカンから……」「分かった。私は帰ったほうがいいかな?」「うん、そのほうが助かる! あとで電話するわ」明るい笑顔で手をふる穴織に、穂香が手を振り返すと風景が変わった。【同日 昼/自室】(あっ、学校から家の自室まで飛ばされてる)レンが「おかえりなさい」と微笑んだ。「穂香さん、今日は早かったですね。学校を早退してきたんですか?」「うん。今、学校でおかしなことが起こっていて。って……レンはどうしてここにいるの!?」「登校したら、校門であなたと穴織くんがバラがどうとか言っているのを聞いて、何かヤバそうだなと思い、即、帰宅しました」「……そこは、私のために『サポートしてやるか』的な流れにはならないんだね」

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